
・証拠金維持率って何?
・なんちゃら証拠金とか、たくさん専門用語あってよく分からない…
・ロスカットと証拠金維持率の関係を詳しく知りたい!
今回の記事はこのような疑問/悩みを解決します。
記事を読むと得られるベネフィット
- 【証拠金維持率】について時短理解
- 【必要証拠金】と【有効証拠金】ついて時短理解
- 【証拠金維持率】と【強制ロスカット】の関係を時短理解
記事を読むのにかかる時間
- 5分
証拠金維持率とは
証拠金維持率とは、簡単にお伝えすると、「口座に入っているお金」と「今持っているポジションに必要なお金」の割合(%)のことを指します。
イメージとして、
- 口座に入っているお金>今持っているポジションに必要なお金
だと証拠金維持率の数値が大きくなり、資金的に余裕がある状態です。

それとは逆に、
- 口座に入っているお金<今持っているポジションに必要なお金
となると、証拠金維持維持率の数値が低くなり、資金的に余裕がない状態になります。

現時点では、このようなイメージでOKです。
※正確な説明は後ほどします。今はニュアンスだけご理解いただければ大丈夫です。
証拠金維持率の計算方法は下記の通りですが、専門用語が連発して分かりにくいので、順を追って説明していきます。
有効証拠金とは
- 証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100
証拠金維持率の計算の中で出てきた、有効証拠金の説明をします。
有効証拠金とは、口座の現金残高に、今持っているポジションの損益(含み益or含み損)を加味した金額のことを指します。

有効証拠金の計算方法は下記の通りです。
有効証拠金の計算には、ポジション損益が含まれています。
FXのトレードでは、ポジションを持つと、常に損益(含み益・含み損)が変動するので、結果として有効証拠金の金額も常に変わっていきます。
有効証拠金計算例
有効証拠金の計算例を3パターンご紹介します。
Case1
- 口座残高10万円
- ポジションに2万円の含み損
有効証拠金=10万円-2万円
有効証拠金は、8万円になります。

Case2
- 口座残高7万円
- ポジションに3万円の含み益
有効証拠金=7万円+3万円
有効証拠金は、10万円になります。

Case3
- 口座残高10万円
- ポジションAに含み益1万円
- ポジションBに含み損5000円
ポジションを複数持っていた場合は、すべてのポジションの損益を合算して計算します。

合算含み損益=1万円-5千円
合算含み損益は、+5千円の含み益になります。
有効証拠金=10万円+5千円
有効証拠金は、10万5,000円です。
必要証拠金とは
- 証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100
証拠金維持率の計算の中で出てきた、必要証拠金の説明をします。
必要証拠金とは、トレードでポジションを持つ時に、最低限必要なお金のことを指します。
必要証拠金の計算方法は下記のとおりですが、計算式だけを見てもイメージがわきにくいので順を追って解説していきます。
=ポジション量(取引通貨量)×※為替レート÷レバレッジ
- 為替レートとは?
-
為替レートとは、取引している通貨ペアの価格レートのことを指します。
■ドル円の取引では?
現在のレートが1ドル=100円なら、100が為替レートになります。■円が絡まない通貨ペアは?
円が絡まない通貨ペアであれば、後半部分の通貨のクロス円レートが為替レートになります。例)EURGBP(クロス円とドルストレート以外)の通貨ペアの場合、GBPJPYの為替レート
この場合、GBPJPY(ポンド円)のレートが1ポンド=150円なら、為替レートは150になります。
※クロス円とは:円を含む通貨ペア(EURJPY,GBPJPYなど)
必要証拠金の計算の中には「レバレッジ」が含まれているので、レバレッジの大きさが変われば必要証拠金の金額も変わります。
このカラクリを説明するためにレバレッジの説明を少し挟みます。
なぜ必要証拠金はレバレッジによって変わるのか?
まずはじめに、FXはレバレッジを使うことによって、口座に入っている資金の何倍もの取引をすることが出来ます。
【下記説明内の為替レートは、便宜上1ドル=100円とします】
レバレッジを使わない(レバレッジ1倍)場合、1万ドルの通貨を買いたい場合、100万円を用意しなければなりません。
※1万ドル×100円=100万円
この場合、100万円が必要証拠金となります。

- レバレッジを2倍にすると、1万ドルを買うためには、50万円が必要になります。
=「50万円が必要証拠金」
計算)1万ドル×100円÷2=50万 - レバレッジ10倍だと、1万ドルを買うのに10万円が必要。
=「10万円が必要証拠金」
計算)1万ドル×100円÷10=10万 - レバレッジ25倍だと、1万ドルを買うのに4万円が必要。
=「4万円が必要証拠金」
計算)1万ドル×100円÷25=4万
このように、レバレッジによって「必要証拠金」の金額は変わります。
そして、上記の計算例からもわかるとおり、レバレッジが高くなればなるほど、必要証拠金が少なくて済むようになります。
ちなみに国内FXの場合にはレバレッジに制限があり、最大で25倍になっています。
それに対して、海外FX会社の場合はレバレッジに制限がありませんので、国内FXと比較して必要証拠金が少なくて済むというメリットがあります。
1万ドルの取引に必要な必要証拠金額
- 国内FX(最大レバレッジ25倍):4万円
- 海外FX-GemForex社(最大レバレッジ1,000倍):1,000円
以上で必要証拠金の説明を終わります。
※海外FX各社のレバレッジについて詳しく知りたい方は当サイト別記事「海外FX12社のレバレッジ比較と規制まとめ」をご覧ください。
証拠金維持率の計算
毎回自分で計算をする必要はありませんので、ご安心ください。
ただし、証拠金維持率は資金管理においても重要な指針の一つなので、仕組みと計算方法を知ることは損にはなりません。
お時間がある方は、一緒に計算してみましょう。
有効証拠金と必要証拠金が分かれば、証拠金維持率を計算することが出来ます。
計算方法を、もう一度おさらいします。
証拠金維持率計算例
Case1
- 国内FX最大レバレッジ25倍
- ドル円の取引
- 口座残高10万円
- ポジション1万通貨(1lot)
- ポジション含み益+1万円
- 1ドル=100円

- 有効証拠金:11万円
計算)10万円+1万円=11万円 - 必要証拠金:4万円
計算)10,000×100÷25=40,000 - 証拠金維持率:275%
計算)11万÷40,000×100=275
では、ポジション量を増やして、損失が出ている状況にしてみましょう。
Case2
- 国内FX最大レバレッジ25倍
- ドル円の取引
- 口座残高10万円
- ポジション2万通貨(2lot)
- ポジション含み損-3万円
- (1ドル=100円)

- 有効証拠金:7万円
計算)10万円-3万円=7万円 - 必要証拠金:8万円
計算)20,000×100÷25=80,000 - 証拠金維持率:87.5%
計算)70,000÷80,000×100=87.5
このCase2の場合、必要証拠金よりも有効証拠金が少ない状況になってしまい、証拠金維持率が100%を切ってしまいました。
このように証拠金維持率が100%を下回ると、強制ロスカットの危険性が出てきます。
強制ロスカットとは
強制ロスカットとは、トレーダーの資金保護を目的とした強制決済制度で、簡単に言うと、「今自分が持っているポジション」と「自分の口座内の入っているお金」が不釣り合いの状態となっているので、FX会社側から退場宣告をされることを指します。
この強制ロスカットは、証拠金維持率で判断されます。
FX会社各社が設定しているロスカットレベル(証拠金維持率)を下回ると、持っているポジションが強制的に決済されてしまいます。
このロスカットレベルは、海外FXと国内FXで違いがあります。
- 国内のFX会社:証拠金維持率100%~50%
- 海外のFX会社:証拠金維持率40%~20%
実際のトレードでは、利益や損失だけでなく、証拠金維持率にも目を配り、強制ロスカットに注意しましょう。
このマージンコールは国内FXと海外FXでは仕組みが異なります。
詳しく知りたい方は当サイト別記事「マージンコールに追証?」をご覧ください。
海外FX12社ロスカットルール
※スマートフォンで閲覧の場合、横スクロールできます。
FX会社名 | ロスカットレベル (証拠金維持率) |
ロスカットルール 詳細 |
XM (エックスエム) XMの評判を見る |
20% | 証拠金維持率20%以下で保有ポジション全決済 |
GEMFOREX(ゲムフォレックス) GemForexの評判を見る |
20% | 証拠金維持率20%以下で損失の大きいポジション順に保有ポジション決済 |
AXIORY (アキシオリー) AXIORYの評判を見る |
20% | 証拠金維持率20%以下で、損失の大きいポジション順に、証拠金維持率20%を超えるまで保有ポジション決済 |
Exness (エクスネス) Exnessの評判を見る |
0% | 証拠金維持率0%以下で保有ポジション全決済 |
LAND-FX (ランドFX) LAND-FXの評判を見る |
30% | 証拠金維持率30%以下で損失の大きいポジション順に保有ポジション決済 |
IS6FX (アイエスシックスFX) IS6FXの評判を見る |
20% | 証拠金維持率20%以下で損失の大きいポジション順に保有ポジション決済 |
FXGT (FXジーティー) FXGTの評判を見る |
20% (ECN口座は40%) |
証拠金維持率20%以下(ECN口座は40%以下)で保有ポジション全決済 |
iFOREX (アイフォレックス) iFOREXの評判を見る |
0% | 証拠金維持率0%以下で保有ポジション全決済 |
Titan FX (タイタンFX) TitanFXの評判を見る |
20% | 証拠金維持率20%以下で損失の大きいポジション順に保有ポジション決済 |
FBS (エフビーエス) FBSの評判を見る |
20% | 証拠金維持率20%以下で損失の大きいポジション順に保有ポジション決済 |
HotForex (ホットフォレックス) HotFoexの評判を見る |
20% (マイクロ口座は10%) |
証拠金維持率20%以下(マイクロ口座は10%以下)で損失の大きいポジション順に保有ポジション決済 |
TTCM (トレーダズトラスト) TTCMの評判を見る |
20% | 証拠金維持率20%以下で損失の大きいポジション順に保有ポジション決済 |
国内FX12社ロスカットルール
※スマートフォンで閲覧の場合、横スクロールできます。
FX会社名 | ロスカットレベル (証拠金維持率) |
ロスカットルール詳細 |
DMM FX | 50% | 証拠金維持率50%以下で保有ポジション全決済 |
LINE FX | 100% | 証拠金維持率100%以下で保有ポジション全決済 |
SBI FX | 50% | 証拠金維持率50%以下で保有ポジション全決済 |
外為どっとコム | 100% | 証拠金維持率100%以下で保有ポジション全決済 |
楽天FX | 50% | 証拠金維持率50%以下で保有ポジション全決済 |
OANDA JAPAN | 100% | 証拠金維持率100%以下で損失の大きいポジション順に保有ポジション決済 |
FXTF (ゴールデンウェイジャパン) |
50or100% | ・証拠金維持率50%以下で損失の大きいポジション順に保有ポジション決済 ・判定時刻(15:30~15:45)に証拠金維持率100%以下で損失の大きいポジション順に保有ポジション決済 |
GMOクリック証券 | 50% | 証拠金維持率50%以下で保有ポジション全決済 |
ヒロセ通商 | 100% | 証拠金維持率100%以下で保有ポジション全決済 |
外為ファイネスト | 100% | 証拠金維持率100%以下で保有ポジション全決済 |
FXプライムbyGMO | 80% | 証拠金維持率80%以下で保有ポジション全決済 |
みんなのFX | 100% | 証拠金維持率100%以下で保有ポジション全決済 |
まとめ
記事は以上となります。
FXでは資金管理をすることが非常に重要なので、証拠金維持率に目を配り、ロスカットにならないよう資金と取引量のバランスをとってトレードをしていきましょう。
ただし、何事にも例外はつきもので、いくら気を付けていてもロスカットになってしまったり、更には「ロスカットレベルを飛び越えてしまう」場合があります。
具体的には、フラッシュショックと呼ばれる相場の大暴落などが起きると、ロスカットレベルを飛び越えてしまい、自身の口座残高がマイナスとなってしまう場合があります。
そのような緊急事態を回避したい場合は海外FXのゼロカットサービスを使うという方法があります。
詳しく知りたい方は、当サイト別記事「海外FXのゼロカットとは?各社ルールも要チェック|【追証危険大】な過去の大暴落事例も公開」をご覧ください。